カジュアル面談の本音|採用担当が評価する5つのポイント

カジュアル面談でメモを取りながら候補者を評価している採用担当のイメージ 採用担当の本音

「今日は選考ではありません。お互いを知る場として設定しています」

カジュアル面談でこの言葉を聞いたことがある方は多いはずです。
そして、その言葉を信じてリラックスして臨んだ結果、なぜか次の選考案内が来なかった

——という経験をした方も、少なくないのではないでしょうか。

結論からお伝えします。
カジュアル面談の8割以上は、実質的に選考を兼ねています。

この記事では、就職支援の現場での8年間の経験をもとに、採用担当側の本音をすべて話します。評価されている5つのポイント
・「また連絡します」の真意
・面談前にやっておくべき4つの準備
現場目線で具体的に解説します。

「カジュアル面談は選考じゃない」は、企業側の建前です

なぜ企業は「選考じゃない」と言うのか

カジュアル面談に参加したことがある方は、こんな言葉を一度は聞いたことがあるはずです。

「今日は選考ではなく、お互いを知る場として設定しています。リラックスして話してください。」

この言葉、半分は本当で、半分は建前です。

実態を数字で見ると、求職者の83.4%がカジュアル面談に「参加したい」と回答しているのに対し、実際に実施している企業はわずか29.1%です。
希少な機会だからこそ、企業は候補者をシビアに見ています。

企業が「選考じゃない」と伝えるのには、明確な理由があります。
最初から「これは選考です」と言ってしまうと、候補者は準備してきた”完璧な答え”しか話してくれなくなります。転職理由も志望動機も、綺麗に磨かれた言葉だけが返ってきます。

採用担当が本当に見たいのは、そこではありません。
普段どんな話し方をするのか、何に熱量を持っているのか、論理的に話せる人なのか——。
それらはリラックスした状態でないと見えてきません。

「カジュアルな場」という設定は、候補者の素の状態を引き出すための、意図的な設計なのです。

採用担当が面談後に実際にやっていること

就職支援の現場で8年間、採用側の立場で多くの面談に関わってきた経験から、正直にお伝えします。採用担当者から得ている話では、カジュアル面談の8割以上は実質的に選考を兼ねています。

カジュアル面談から本選考に移行するのは20〜40%程度とされています。
つまり半数以上が、選考が始まる前の段階で離脱している。「ただの情報交換」と油断した候補者が、その大半を占めています。

当たり前のことですが、カジュアル面談が終わった直後、採用担当は必ずメモを取っています。

「熱量がある」
「企業理解が浅い」
「コミュニケーションのテンポが合う」

——こうした評価を面談直後に書き残すのが採用担当の習慣です。
印象は時間とともに薄れるため、終わったその場で記録することがほとんどです。

そしてそのメモをもとに、社内での情報共有が行われます。
判断の結論は基本的に3択です。

  • 進める:次の選考案内を送る
  • 保留:他の候補者と比較した上で判断する
  • 見送り:選考には進めない

企業の採用管理としては、候補者を「Yes / Hesitating / Undecided」の3段階で記録しているケースも多くあり、「また連絡します」という返答はこの「Undecided」に分類されることがほとんどです。
Undecidedはそのまま見送りに移行するケースが大半です。

「選考じゃない」と言われた場で、採用担当はすでに3択の判断を下しています。
これがカジュアル面談の実態です。

CSやITセールスへの転職を目指す方がカジュアル面談をどう位置づけるべきか、詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

カスタマーサクセスへの転職完全ガイド

カジュアル面談後に採用担当が下す「進める・保留・見送り」3択の判断フロー図

採用担当が評価するカジュアル面談の5つのポイント

未経験からCSやITセールスへの転職を目指している方こそ、この章を注意深く読んでください。
スキルや実績がない分、面談での印象が評価のほぼすべてを左右します。
採用担当が実際に評価している5つのポイントを、各項目のNG例とあわせてお伝えします。

カジュアル面談で採用担当が評価する5つのポイントをまとめたチェックリスト図

① 転職理由の「本気度」と「納得感」

最初に確認するのは「なぜ今の会社を辞めたいのか」「なぜこの会社に来たいのか」です。

ネガティブな動機そのものは問題ではありません。
「人間関係が辛かった」
「残業が多すぎた」
——それは事実だとしても、採用担当が見ているのは「だからなぜうちなのか」という繋がりです。
過去の不満から、なぜこの会社・この職種への転職という選択に至ったのか。
その流れが説明できると納得感が生まれます。

NG例:転職理由がネガティブ全開で終わる
「上司との関係が辛くて」
「残業が多すぎて体を壊しそうで」
——これらの事実を話すこと自体は理解できます。

しかし、過去の不満の話が長く続いて「だからCSに転職したいと思いました」で終わると、採用担当の判断は「現状逃避の転職」になります。
前職への不満をどれだけ話しても、それはこの会社に来る理由にはなりません。
「過去に何があったか」より「なぜここに来たいのか」を中心に据えてください。

② 企業・職種への理解の解像度

「御社のサービスについて一から教えてもらえますか?」

企業側の説明が始まる前に基本情報を質問してしまうパターンです。
採用担当は「HPすら見ていないな」と判断します。
カジュアル面談であっても、基本情報を事前に調べてきているのは最低限の前提です。

NG例:企業研究の浅さが露呈する
カジュアル面談で実際によく起きる失敗は、
「選考じゃない」という言葉を真に受けて
本音を出しすぎることです。

「今日は選考じゃないと聞いたので、正直に言うと御社への志望度はまだ低くて…」

この発言、採用担当として実際に聞いたことがあります。
「選考じゃない=何を言ってもいい」は大きな誤解です。
採用担当はこの瞬間、社内共有用のメモに
「見送り」と書いています。

事業内容・主要プロダクト・競合他社との違い
——この3つは最低限、事前に調べておいてください。
理想は「御社の〇〇というプロダクトが△△という課題を解決しようとしていると理解しているのですが、実際の現場ではどうですか?」というレベルです。
解像度の低さは、そのまま熱量の低さと読まれます。

③ コミュニケーションのスタイル

CS・ITセールスは対人スキルが仕事の核です。
採用担当として採用に関わってきた経験から言うと、この職種においてコミュニケーションの適性はカジュアル面談の段階でかなり見えてきます。

良い面談の会話比率は「企業側6割:候補者4割」が目安です。
具体的には「質問に対してズレた答えを返していないか」「一方的に話しすぎていないか」を見ています。
「話しすぎる」「答えがずれる」は、CS・ITセールス職では致命的なマイナスです。

NG例:質問の意図を掴めていない
「CSチームの規模を教えてください」と聞いたら採用プロセスの説明を始めた、といったケースが実際にありました。質問の意図を掴めていない時点で、採用担当には「顧客の話をきちんと聞けない人」と映ります。

④ 逆質問の質

「何かご質問はありますか?」という場面は採点ポイントです。

NGな逆質問の代表例は「どんな仕事内容ですか?」「福利厚生を教えてください」。
採用担当からは「HPを読んでいない」か「条件だけ気にしている」と映ります。

OKな逆質問の例は「CSチームが今一番注力している課題を教えてください」など、業務の実態に踏み込んだ質問です。

NG例:受け身の姿勢が全面に出る
「特にないです。ご縁があれば…」と答えた場合、採用担当の判断は「志望度が低い」に傾きます。CS・ITセールスは毎日顧客に向かって提案し、関係を構築していく仕事です。そのポジションに対して受け身な姿勢で来る人を、採用担当は「このポジションに合わないな」と感じます。逆質問がない・熱量が感じられない・話が終始受け身——これらが重なると、スキルや経験以前の問題として「見送り」の判断が下ります。

⑤ 「この人と一緒に働きたいか」という直感

最後は正直に言います。
採用担当には「この人と働きたいか」という直感的な判断が必ず入ります。

採用担当として面談に関わる中で、常に考慮していたのは「この人は既存メンバーの性格や部署の雰囲気と合うか」という点でした。スキルや資格は入社後に伸ばせますが、チームとの相性は後から変えることが難しい。だからこそ面談の場での「感じ方」が、想像以上に判断に影響します。

経験から言えることがあります。第一印象の挨拶の元気よさ・清々しさといった感覚的な印象が良かった人材は、入社後のチームへの馴染みが明らかに早かった。「直感」は根拠のない感情論ではなく、チームフィットを予測する採用担当の経験則です。明るさ・素直さ・前向きさが高く評価されるのはそのためです。

NG例:能力はあるのに「合わない」と感じた瞬間
スキル面では申し分なかった候補者が、面談を通じてずっと腕を組んだまま、表情がほとんど変わらなかったことがありました。質問への回答は的確でしたが、「この人がチームにいたらどうなるか」を想像したとき、判断は「見送り」に傾きました。CS・ITセールスは顧客と日々関係を構築していく仕事です。採用担当が見ているのは「この人が既存チームに溶け込んで動けるか」という一点でもあります。

「また連絡します」の本当の意味を、採用担当が解説します

カジュアル面談が終わった後、多くの方が気になるのが「あの返答は何を意味していたのか」という点です。採用担当側の言葉には、実際にはっきりとした温度差があります。

返答パターン別・採用担当の本音

返答パターン採用担当の本音通過確率イメージ
「ぜひ選考に進んでいただきたいです」ほぼ確定で通過。その場で判断済み◎ ほぼ確実
「後日、選考のご案内をお送りします」通過。手続き上の確認が残っているだけ○ 通過
「改めてご連絡します」検討中。他候補者との比較次第△ 五分五分
「また機会があればぜひ」事実上の見送り× ほぼ見送り
次のステップの説明がないまま終了ほぼ見送り× 見送り

はっきり言います。
「また連絡します」は、多くの場合、見送りのサインです。

採用担当として正直にお伝えすると、「進める」と判断した候補者にはその場か翌営業日中に具体的な案内が来ます。
カジュアル面談後、採用担当は「進める・保留・見送り」の3択で社内に情報共有しています。
「また連絡します」という返答のまま1週間以上音沙汰がない場合、保留から見送りに移行している可能性が高いです。

返答の温度感は、その3択の判断をそのまま反映しています。

その場で確認してもいい一言

面談の終わりに、自分から確認することは決してマナー違反ではありません。

「本日の面談を踏まえて、次のステップについて教えていただけますか?」

この一言を聞くことで、採用担当は「この人は本気で検討している」と受け取ります。
積極的な姿勢はCS・ITセールス志望の文脈では特にプラス評価になります。返答が曖昧であれば、連絡の目安期日をその場で確認しておくと、その後の不安が軽減されます。

カジュアル面談の前にやっておくべき4つの準備

「評価されているとは知らなかった」では手遅れです。
カジュアル面談は、準備をした人が通過します。
最低限やっておくべき4つを具体的にお伝えします。

① 転職理由を「ポジティブ変換」してから臨む

転職理由のネガティブな部分は、前向きな言葉に変換してから話す練習をしておいてください。

変換の公式はシンプルです。「〇〇が辛かった(過去の不満)」を「△△がしたくて転職を決意した(未来への行動)」に置き換えます。

例:「残業が多くて限界だった」→「もっと顧客と深く関わる仕事がしたいと気づき、CSへの転職を決意しました」

事実を変える必要はありません。フレームを変えるだけで、採用担当が受け取る印象はまったく変わります。

② 「CSポジションの採用背景」と「プロダクトの最新機能」を調べておく

採用ページとプロダクトのアップデート情報(ブログやリリースノート)の2点を確認するだけで、準備をしていない候補者と明確な差がつきます。

確認しておきたいのは2点です。
「なぜ今CSを採用しているのか(組織拡大なのか、解約率改善のためなのか)」と
「直近でどんな機能や改善が行われているか」。

この2点を把握していると、「先日の〇〇という機能リリースを拝見したのですが、CSチームとしてどんな変化がありましたか?」という逆質問が自然に生まれます。

「プロダクトの中身を理解しようとしている」と伝わるだけで、採用担当の評価は大きく変わります。

③ 逆質問を3つ用意する(NG例・OK例・最高評価例)

逆質問は最低でも3つ準備してください。会話の流れで1つ使われてしまうことがあるため、3つ持っておくと安心です。

NGな逆質問(準備不足と判断される)

  • 「どんな仕事内容ですか?」
  • 「残業はどのくらいですか?」
  • 「福利厚生について教えてください」

OKな逆質問(熱量と思考の深さが伝わる)

  • 「CSチームが今一番力を入れている取り組みを教えていただけますか?」
  • 「入社後、最初の3ヶ月でどんなことを期待されますか?」
  • 「CS職でよく求められる素養として、どんな点を重視されていますか?」

最高評価の逆質問(調査力・思考力を同時に示す)

仮説を立てた上で問う「仮説構築型」の逆質問です。
例:「採用ページを拝見し、解約率改善がCSチームの最重要課題と推測しました。顧客の不満を早期にキャッチする仕組みとして、御社では現在どんなアプローチを取られていますか?」

この形式は特定の業務経験がなくても使えます。採用ページの情報から仮説を立てて質問するだけで、「自社を本気で分析している」という印象を採用担当に与えられます。

④ 面談当日中にお礼メッセージを送る

面談終了後、当日中に採用担当へお礼のメッセージを送ってください。
「本日はありがとうございました。〇〇についてお話しいただいた点が特に参考になりました」という一文で十分です。

これは単なる礼儀ではありません。
ITセールス・CSの実務では、顧客へのレスポンス速度と丁寧さが直接成果に繋がります。
面談当日中にメッセージを送ることは、採用担当にとって「この人は実務でも動きが早い」という証明になります。

面接本番での対策については、こちらの記事もあわせてどうぞ。

面接で落ちる本当の理由、採用担当が正直に話します

まとめ

カジュアル面談について、採用担当側の本音を3点にまとめます。

  • 「選考じゃない」は建前です。カジュアル面談の8割以上が実質的に選考を兼ねており、本選考への移行率は20〜40%。面談後は必ずメモを取り、「進める・保留・見送り」の3択で社内共有しています
  • 評価される人と落ちる人の差は5つのポイントに出ます。転職理由の納得感・企業理解の解像度・会話比率・逆質問の質・第一印象——このすべてが採用担当の判断材料です
  • 「また連絡します」は見送りサインです。面談の終わりに次のステップを確認し、当日中にお礼メッセージを送ってください

カジュアル面談を「ただの情報交換」と思って臨むと、気づかないまま選考機会を失います。採用担当が評価している5つのポイントを押さえ、4つの準備をした上で臨んでください。


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